百田尚樹さんの同名小説を読んだ時、この作品は映像で観たいな~と思いました。実際に映画館で観たときは感動がじわじわと押し寄せて涙を何度拭いたことかしら……。(子供と一緒に観て気味悪がられました)
出光石油創業者の出光佐三氏をモデルに、戦前戦後の活躍から最期を看取られるところまでを丁寧に描き切った、不屈の男の一代記!といったスケール感の大きな作品です。
石油をもっと安くし大勢の人に使ってもらえるようにと、商売を手漕ぎの船から始め、それが日本最大の大型タンカーを所有するまでになるという壮大なお話しですが、もちろん順風満帆であったはずはなく、あらゆる弊害、社会情勢が会社には襲い掛かります。中でも石油が手に入らず販売経路を絶たれた際、会社をいかにして存続させるか、その頃の国民の需要を反映しラジオの修理でしのぐという発想の転換などは脱帽でした。
全編を通してですが、何よりも店主(劇中の社長の呼称)を支えようとする、熱い、熱すぎる男気に痺れてしまいます。男が惚れる男って、いるんですね~。
さりげなく社長室に掛かっている仙厓の作品にも、注目してご覧ください。出光佐三氏が19歳の時に仙厓の絵を見てひとめ惚れをして購入したというエピソードは有名ですが、そこまで盛り込んでいるところが山崎貴監督、さすがです。禅のこころとユーモアを描く仙厓さん、私も大好きです。
「海賊とよばれた男」を観終わると、(石油だけに?)ものすごいエネルギーがチャージされたような感覚になりますので、一年のスタートには間違いなしの一本です!
- 番組情報
- 【番組名】海賊とよばれた男
- 【放送日時】1/9(土)21:00~23:35
- 【放送チャンネル】映画・チャンネルNECO(222ch)